No.1「素朴な疑問方式」

《素人の聖書黙想法》No.1「素朴な疑問方式」

=聖書を黙読し疑問に思ったことを全て書き留める方法=
【根拠となる聖句】ここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。(使徒の働き17:11)

言わば自問自答で黙想する方法です。
①一つの章や章の中の一段落(一つのストーリー)を読み、疑問に思ったことや気づいたことを手あたり次第、箇条書きで書き留めておきます。
②時間をかけて書き留めたものを、調べたり、自分で想像をしてみます。
この手法を「素朴な疑問(自問自答)方式」と呼んでいます。
さて、その「素朴な疑問方式」で学んだ例を挙げておきます。

【テーマ】手放して得る物
【拝読箇所】18:35~43
[5]エリコの盲人の癒し

【予備知識】
エリコ:海抜マイナス250mの低地にある。「スルタンの泉」と呼ばれるオアシスがあり、人々が住み着いた。エリコの名前は『旧約聖書』にも繰り返し現れ、「棕櫚(しゅろ)の町」として知られていた。 冬でも10℃を下回らない温暖な場所。家を出され身体障害者が野宿しても凍えることはない。祭司などが住居を構える文教地域でもあった。「門前の小僧」ではないが、日常的に聖書が語られていたと想像できる。ここに登場する盲人もその一人?!

 

⦅予備知識の作り方⦆
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を使って調べておきましょう。また『Google検索』を使って「エリコ 聖書」で検索すると、エリコを話題にしたページを見つけることができます。これらを読んでまた新たな発見ができる場合もあります。

 

【素朴な疑問】
①この盲人はエリコでなぜ物乞いをしていたのか
②盲人はなぜ「ダビデの子」といったのか
③この盲人が求めた「あわれんでください」はどんな意味があるのか
④「何をしてほしいのか」となぜイエス様は尋ねたのか
⑤この章の最後になぜ盲人の話を置いたのか

 

⦅素朴な疑問の作り方⦆
聖書を朗読していて、疑問に思うこと・気づいたことなどをあるだけ「箇条書きで」挙げて置きます。知らず知らずのうちに誰かの影響を受けて「既成概念・固定概念」をもっているものです。そうすると、なかなかこの素朴な疑問はでてきません。一回まったく白紙にしてから考えていきましょう。

 

【黙想のポイント】
①当時身体障害者は一定年齢になると、家から出されることになっていた。このため、人の情けに頼って生きていかなければならなかったから。
エリコは住みよい場所だけではなく、盲人の信仰を醸成していた場所とは言えないだろうか。
②「ダビデの子=イスラエルのために約束されている人物=メシヤ」と預言されている
(1)サムエル記第二7:12~13ダビデの子孫から王国を長く堅持する者
・・・あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちとともに眠るとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。"
(2)イザヤ9:6~8ひとりのみどりご
…"ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる。今より、とこしえまで。万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。"
(3)エゼキエル34:23牧者が立てられる
…わたしは、彼らを牧するひとりの牧者、わたしのしもべダビデを起こす。彼は彼らを養い、彼らの牧者となる。
③盲人の癒し…盲人バルテマイ(マルコ10章)と同一人物では?
この盲人は、メシヤが盲人の目をあけることが預言されていた(イザヤ35:5)のことを彼は知っており確信を持っていたとは言えないだろうか。「ダビデの子」と約束のメシヤ預言の言葉を持ち出してきたことにはならないだろうか。預言を信じてイエス様に向かっていった。
イザヤ35:5…そのとき、目の見えない者の目は開き、耳の聞こえない者の耳はあく。
④この言葉をこの盲人は信じて行動した。イエス様が彼から引き出したのはこの預言とその預言を確信している彼の信仰ではなかったか。「あなたの信仰が」と言われていることもそれを裏付けるのでは。
⑤この章に出てくるパリサイ人も律法学者もそして弟子たちも、旧約で預言されているメシヤに関して全く無頓着無関心であった。旧約で預言されているメシヤ像を偏ってみていた。霊の目が開かれなくてはならなかったのはこの人々の方だったことをルカは言いたかったのでは?

 

⦅黙想のポイントの作り方⦆
箇条書きにしておいた「素朴な疑問」を時間をかけて黙想します。黙想の仕方は以下の通りです。
①自分の想像で考えてみます。間違えているかもしれませんが、それを恐れずにイメージを膨らましていきましょう。
※聖霊なる神様は「霊的年齢」に応じた対応をイメージを通して示してくださいます。
②単語や文が聖書の同一章や異なった箇所に見つかるかもしれません。それもメモしておきましょう。
③先輩基督者に聞いてみたり、インターネットで調べるのもよい方法です。

 

【まとめ】
①受難のキリストがどれだけ預言されていても、世界制覇を企てる政治的ユダヤ王国しか当時の人々の目には映っていなかった。一方、エリコの盲人のように、預言からメシヤが貧しいものの救済のために来ることを信じる者もいた。
②聖書を正確に理解し、自分の行動に聖書から確証を持つことが重要であることを教えられる。

 

⦅まとめの作り方⦆
黙想のポイントを通じて何か感じるところがありませんか。それを自分の言葉でまとめてみましょう。

 

Posted by sakaihc